ヘアカラー放置時間の違い!髪色別の適正について
きしです。
前回の記事では、カラーレベルの意味や重要性についてお伝えしました。カラーレベルと簡単に言ってしまうと「明るさ」のことです。
そんな明るさとも関連性の高いのが「放置時間」です。
こういった疑問にもお答えしつつ、良いカラーをつくるための放置時間についてお話します。
ヘアカラーに必ず必要になるのが「時間」です。
薬剤を髪に塗布して時間を置きます。
美容師用語では「放置時間」という風に呼びます、市販カラー剤の容器の説明欄にも塗布した後は放置時間とも記載されています。
しかし、放置時間ってどのくらいおくべきなのか?
- 長く時間を置けばキレイに染まるのか?
- 短い時間だとあまり染まらないのか?
こんな質問もよくあります。
そこで当記事では、ヘアカラーの「放置時間」の違いについてを分かりやすくお話します。
なぜカラーを染めるのに「時間」がかかるのか?
なぜ染めるのに時間がかかるのかについて分かりやすくお話します。
ヘアカラーには放置時間とはとても大事なポジションになるのです。
「ヘアカラー」をする目的はきちんとあります。
あなたはなぜヘアカラーをしますか?
染める目的は人それぞれですが、求めている髪色にしてくれるのがヘアカラーです。
- 明るく染める
- 暗く染める
- 色を染める
- 白髪を染める
この4つがカラーの効果を出す目的になります。
まずは、「なぜヘアカラーでは時間をおくのか?」ということをお伝えしていきます。
ヘアカラーで時間をおく理由
一般的なヘアカラー剤は、正式名称では「酸化染毛剤」と呼びます。
酸化染毛剤の他にも、脱色剤(ブリーチ)や酸性染毛剤(マニキュア)がありますが、ここでは普通のヘアカラーでも酸化染毛剤で進めていきます。
それぞれをグラフにしました
脱色剤 | 酸化染毛剤 | 酸性染毛剤 | |
---|---|---|---|
一般名称 | ・パウダーブリーチ ・ライトナー | ・アルカリカラー ・中性カラー | ・酸性カラー ・塩基性カラー |
分類 | ・医薬部外品 ・脱色剤 | ・医薬部外品 ・永久染毛剤 | ・化粧品 ・半永久染毛剤 |
原理 | メラニンを壊し(脱色)、髪の明度を上げるという事に特化しています。 | メラニンを壊し(脱色)、明度を上げつつ酸化染料が毛髪内部で酸化重合して発色します。 | 酸性色素がキューティクル付近でイオン結合し、着色します。 |
酸性染毛剤の場合は、髪質に関係なく同じ放置時間
1剤と2剤を混ぜることで、酸化染料は発色する仕組みになっていますが、これはサロンカラーであっても市販カラーであっても同じです。
関連記事▶サロンカラーと市販カラーの違い
つまり、市販カラーであってもサロンカラーであっても「放置時間」は同じです。
重要になってくるのは酸化染毛剤(ヘアカラー剤)では「脱色」と「発色」を作用させている薬剤ということです。
時間がかかるのは「脱色」と「発色」
コルテックス内部のイメージ図
1剤のアルカリ剤と2剤の過酸化水素の化学反応によって、髪のメラニン色素を分解する働きがあります。
これを「髪の脱色」と呼びます。
脱色は明るさの調整をすることができます。脱色させた後に、染料で発色させます。
染料の分子は結合して元より大きくなるという性質があるので、髪の内部に浸透した後は閉じ込められます。
染料の大きさや、メラニンの分解量などの調節を2剤の種類によって行います。
関連記事▶メラニン色素について
関連記事▶ヘアカラーの2剤「オキシ」について
これらの脱色と発色は、時間がなければ作用することがないために放置時間というものがあります。
目次に戻るヘアカラーの時間はなぜ違うのか?
へアカラーは、染める髪のカラーレベルと目的によって時間が変わります。
カラーレベルとは、「髪の明るさ」のことを表す単位のことです。
例えば、長さを表すのに「m(メートル)」や重さを表すのに「kg(キログラム)」という単位があるように、ヘアカラーの明るさを知るために必要な単位には「レベル」が用いられるのです。
数字があって、低い数字が暗い色で、数字が高くなると明るくなるといった形式で、色の明暗をレベル数式で表すことです。
髪の明るさは、1〜20レベルまであり、このレベルの状態により色の染まり具合は変わってきます。
グラフにすると…
カラーレベル(明るさ) | 種類 |
---|---|
2〜4 | 「黒髪」 |
4〜7 | 「地毛」 |
8〜11 | 「茶髪」 |
12〜20 | 「金髪〜白髪」 |
カラーレベルのグラフを参考に時間をケース別に分けてみました。
- 地毛を茶髪に明るく染める
- 地毛を金髪に明るく染める
- 地毛を黒髪に暗く染める
- 茶髪の色を染める
- 茶髪を金髪に明るく染める
- 茶髪を黒髪に暗く染める
- 金髪の色を染める
- 金髪を茶髪に暗く染める
- 金髪を黒髪に暗く染める
- 金髪を白髪に色を染める
- 白髪を茶髪に暗く染める
- 白髪を黒髪に暗く染める
このように、さまざまなヘアカラーのケースがあります。
反応するまでに時間がかかるもの
そもそもですが、薬剤というのは時間はかかるものです。とくに変化が大きいものは作用してからも時間がかかります。
例えば、黒髪から金髪に明るくする場合や、金髪から黒髪にする場合など変化が大きいものには時間は長めに必要となります。
分かりやすくグラフ化
現在の明るさ/仕上がりの明るさ | 黒髪 | 茶髪 | 金髪 | 白髪 |
---|---|---|---|---|
黒髪 | / | 10〜15分 | 20〜30分 | / |
茶髪 | 10〜15分 | / | 10〜15分 | / |
金髪 | 15〜25分 | 10〜15分 | / | 10〜15分 |
白髪 | 20〜30分 | 20〜30分 | 10〜15分 | / |
もちろん髪質や髪の状態によっても、深掘りはできますが、だいたいはこんな感じになります。
そして、塗り方によってさらに変動します。
このように根本から毛先にかけて、同じ髪色であることはほとんどありません。
大体は色が違うために色をキレイに染めます。そのため、さらに時間が変わってもくるのです。
それ以上は発色の作用がとまります、しかし髪の負担はそのままになるのでダメージだけが進行していくので注意が必要になります。
つまり、放置時間は脱色と発色させるために時間がかかり、カラーレベルと仕上がりの髪色によって時間が変わります。
FAQとあとがき
へアカラーの放置時間はとても重要なポジションになります。
時間を置きすぎてもダメージにもなるし、時間が足りないと染まってなかったり、色持ちが悪かったりもしちゃうんです。
ブリーチの置く時間はどのくらい?
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髪質にもよりますが、5分から20分程度です。ブリーチは塗布量によっても明るくなる時間は変わります。
ヘアマニキュアの置く時間は?
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基本的には約30分ほどです。加温機にて熱を入れたり、クーリングで冷ましたりななど、方法がさまざまあります。
セルフカラーでする場合はどのくらい置けばいい?
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塗布してから20程度おけば、大体キレイに発色しているはずです。染まりやすい人は15分ほど、染まりにくい人は25〜30分程度置くといいです。
セルフカラーで時間を短くするとダメージは減る?
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多少は減りますが、発色が不十分になることもあります。発色とダメージは比例するため、よく考えて時間を置きましょう。
黒髪から金髪にするならどくらい置く?
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約30分程度おくといいです。一番時間のかかるケースになるので、しっかりと時間を置きます。
放置時間を置き過ぎたらどうなる?
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カラーの発色時間は30分が限度です、それ以上はただ傷むだけですので、置き過ぎには注意しましょう。さらに頭皮地肌に近い根本は体温によって、毛先よりも明るくなりすぎることもあります。
時間はとても重要なポジションになります。
「時間をおいた方が染まりそうな気がするんだよね…」
放置時間を長めにおいている人を見かけたりします。
実はそういうわけではなくて、染まる時間は決まっているので、注意が必要になります。
自分の今の髪色と、したい仕上がりの髪色とを見比べて、的確な放置時間にしてあげることが大切なのです ヘアカラーも正しい方法によっていくらでもキレイな髪色を再現することができます。
キレイなヘアカラーをつくるためには、薬剤や技術だけでなく時間も重要なポジションになるのです。
こんな感じで以上です。