ヘアマニキュアとは?「酸性カラー」の特徴とメリット&デメリットを美容師が解説
マニキュアというヘアカラー剤をご存知でしょうか?
カラー剤ではたくさんの種類があります。その1つが「マニキュア」です。
前回の記事では、ヘアカラーの2剤についてお伝えしました。簡単に言えば、1剤は染料、2剤は髪への負担をコントロールするような役割をもっているため、髪の状態によって薬剤の使い分けをする必要があります。興味のある人はぜひご参考ください。
カラーアレルギーのある人ならば、ヘアカラー剤を使用することで地肌トラブルを起因します。
例えば、
- 頭皮がかゆくなる
- 頭皮が赤くなる
- 頭皮がピリピリする
このような症状を発症します。
しかし…
と考えてしまう人は少なくありません。
白髪が気になったり、プリン状態が気になったり、どうしてもカラーをしたくなってしまうこともあります。
そんなときにもできるヘアカラーというのもあります。
今回の記事では、アレルギーがあってもできる酸性カラーとも呼ばれる「ヘアマニキュア」について分かりやすくお話します。
ヘアマニキュア(酸性カラー)について
まずは、マニキュアカラーの特徴についてお話します。
アレルギーのある人は以外にたくさんいてるので、マニキュアの需要はまだまだ高いです。
ヘアマニキュアとは、酸化染毛剤・脱色剤と並ぶヘアカラーの1種で「酸性カラー」または「酸性染毛料」と呼ばれています。
ぼく達が、普段何気なく使用しているおしゃれ染めや白髪染めといったヘアカラー剤には、ジアミン成分が含まれています。
このジアミン成分というのは髪を明るくするために必要不可欠な成分になっているので、ヘアカラーには必須成分となっています。ですが、最近の研究では、アレルギー反応である「アナフィキラシーショック」を引き起こす原因になると判明しました。
カラーリングでアレルギー反応が出ていた人や、長期間繰り返しヘアカラーを染めている人、そしてお肌が敏感で弱い人は症状を引き起こす可能性があります。
そもそも、カラーアレルギーとは何なのか?原因や対策について具体的にまとめているので、ぜひ合わせて参考にしてください。
ヘアカラーをした時に「ピリピリ」と少し違和感や地肌の傷みを感じたことがある人。
最初はちょっとした違和感ですが、回数を重ねる事に強く感じることによって重度のジアミンアレルギーを発症してしまうこともあります。
マニキュアの特徴の1つとして「ジアミンフリー」があります、つまりアレルギーのある人でも問題なく染めることができます。
一般名称…酸性カラー(ヘアマニキュア)
分類…化粧品
原理…酸性色素がキューティクル付近でイオン結合し、着色します。
使い分け…ブリーチ力はないが、髪を傷めず鮮やかな色味が表現できます。ただし、トーンアップなどはできない。最近では需要は少なくなってきている。
色持ち…2週間〜4週間
従来のヘアカラーとの比較
美容室では主に使われるカラーの種類は…
- 脱色剤
- 酸化染毛剤
- 酸性染毛料
上記の3つとなります。
脱色剤がブリーチ、酸化染毛剤が通常使われるアルカリカラー剤、そして酸性染毛料がマニキュアとなります。
酸化染毛剤とマニキュア、分かりやすくグラフにするとこんな感じです。
脱色剤 | 酸化染毛剤 | 酸性染毛剤 | |
---|---|---|---|
一般名称 | ・パウダーブリーチ ・ライトナー | ・アルカリカラー ・中性カラー | ・酸性カラー ・塩基性カラー |
分類 | ・医薬部外品 ・脱色剤 | ・医薬部外品 ・永久染毛剤 | ・化粧品 ・半永久染毛剤 |
原理 | メラニンを壊し(脱色)、髪の明度を上げるという事に特化しています。 | メラニンを壊し(脱色)、明度を上げつつ酸化染料が毛髪内部で酸化重合して発色します。 | 酸性色素がキューティクル付近でイオン結合し、着色します。 |
簡約すると、アルカリカラー剤の場合、過酸化水素(2剤)によって髪の内部からメラニン色素を脱色したり、染料を髪内部に浸透させていきます。
対し、酸性カラーはキューティクルを開くことはせずに、表面のみをイオン結合により、コーティングして染めるという原理です。
「ヘアマニキュア」と「カラートリートメント」の違い
さらに、深掘りして、マニキュアとカラートリートメントのそれぞれの違いについてもお話します。
そもそもの染料が違うということです。
マニキュアは「酸性染料」、カラートリートメントは「塩基性染料」です。
その他にも…
- 施術時間
- HC染料の濃さ
- 自分でできるのが「カラートリートメント」
- 美容師にしてもらうのが「マニキュア」
このような違いがあります。
塩基性カラーとHC染料のカラーにはそれぞれ特徴があります、具体的にメリットなどをまとめた記事もありますので、ぜひ参考にしてください。
塩基性染料は短時間でも表面に染色するので、自分でも容易にすることができます。
マニキュアの場合は、酸性染料は時間がかかる上に頭皮に薬剤がつくと、地肌にも染着してしまうので、地肌にはつかないように美容師にしてもらう必要があるのです。
大きな違いは「施術時間」 主に、カラートリートメントとマニキュアでは施術時間が大きく違います。 塩基性染料が多く配合されているのがカラートリートメントで、HC染料が多く配合されているのがマニキュアです。
もちろんデメリットだけでなく、カラートリートメントに比べて格段に色持ちが良かったり、内部まで染料が入るので手触りなども良いという違いがあります。
目次に戻るヘアマニキュアのメリットとデメリット
マニキュアの特徴についてお話しましたが、そんな便利なマニキュアにもメリットとデメリットがあります。
普通のカラー剤のデメリットを補うように、マニキュアがありますが、染めたい色や髪質によって変わるので、とりあえずマニキュアで染めると失敗します、しっかりデメリットも覚えましょう。
マニキュアの特徴について紹介しましたが、ヘアカラーをする上で、とりあえずマニキュアが良いというわけではありません。むしろとりあえずカラーをしてみるという前提なら通常のカラー剤の方が良いと言えます。
普通のヘアカラーとマニキュアとの特徴を見分けて、髪質や色によって使い分ける必要があるのです。
通常のアルカリカラー(酸化染毛剤)と比較して、マニキュアのメリットとデメリットについてもお話します。
ヘアマニキュアのメリット
マニキュアは表面をイオン結合により、コーティングするのみなのでアルカリカラーよりも髪のダメージが少なく(ほぼダメージがない)ヘアカラーによってツヤやハリコシを出すこともできます。
さらにジアミンアレルギーによる身体への不安が一切ないのは、アルカリカラーとの差別化になります。
安心して、ヘアアカラーができるのがマニキュアの最大のメリットとなります。
応用編として、アルカリカラーやブリーチなどで脱色した後に、マニキュアの同系列やクリア剤や同系色を処方することで、色の持ちがより良くなったり、ダメージを防ぐこともできます。このようなヘアカラー以外のブリーチカラーという使い道もあります。
ヘアマニキュアのデメリット
酸性カラーで白髪を染める場合は、アルカリカラーほどはしっかり染まらず、髪を脱色して明るい色にすることはできないというデメリットがあります。
また、色のレパートリーが少なく微妙な色の違いを出すこともできません。
室内の白熱灯や、蛍光灯のもとでは色の違いがわかりにくく、カラーバリエーションは少ないために白髪に軽いニュアンス的な色をプラスして、明るく自然な風合いを出すことぐらいにしかできません。
そして「地肌につけることはできないマニキュアはセルフカラーでは絶対にできません」ということもデメリットになります。
あとがき
最後までお読みいただき、ありがとうございました。ご質問やご感想は、以下までお寄せください。