縮毛矯正後にストレートヘアアイロン・コテは使たらダメ?正しい使い方やタイミングを美容師が解説
縮毛矯正をかけて、理想のサラサラのストレートヘアには大満足だけど、出かける日には「ストレートアイロンでもっとツヤツヤにしたい」「コテで巻き髪も楽しみたい」という方も少なくはありません。
こういった質問が多いので、真剣に考えてみました。
縮毛矯正をした後はスタイリング要らず、というわけではありません。
当然、髪の毛のダメージが目立ってきて、アホ毛や枝毛がでてくるとストレートアイロンをしたくなるし、たまにはコテ(カールアイロン)で巻き髪にもスタイリングしたいし、そのためヘアアイロンはしなきゃいけないけど、縮毛矯正をした後の髪ヘアアイロンはしてもいいのか?
そこで今回の記事では、縮毛矯正した後にヘアアイロン(ストレート・コテ含む)は使わない方がいいのか?縮毛矯正をかけた髪の扱い方について分かりやすくお話していきます。
縮毛矯正した後の髪にストレートアイロンやコテアイロンは使ってもいいのか?
縮毛矯正の特徴と効果
それでは、縮毛矯正した後の髪にヘアアイロンを使ってもいいのか?くせ毛の方や、よく矯正されている方なら、必ず気になる内容だと思っています。
縮毛矯正とは名前の通り、縮毛というくせ毛を矯正(ストレートにする)するというメニューの1つです。縮毛というのはくせ毛の中でもとくに強力なくせ毛のことです。
縮毛矯正では、髪内部で繋がり合っているタンパク質を、専用の薬剤で切断・アイロンでまっすぐに矯正・再結合させて、髪のくせ毛を矯正します。
縮毛矯正の特徴と言えば、やはりアイロンを使って真っ直ぐにストレートにすること。最も重要になる上に、ヘアアイロンを使用して髪をストレートヘアに仕上げていく熱処理のため、髪の負担度も高くなっています。
矯正した髪とヘアアイロンでのポイントで個人的な考えとしては、
- アイロンは使わない方がいい
- 使ってはいけないわけではない
- おすすめは「ブロー&アイロン」の組み合わせ
こんな感じにまとまりましたので、順番にお話していきます。
縮毛矯正をした髪にアイロンは極力、使わない方がいい
まぁ、正直なところヘアアイロンは使うべきではありません。それは単純にダメージになるからです。
極端な言い方にはなってしまいますが、縮毛矯正をした後の髪にヘアアイロンは使わない方がいいです。
これは縮毛矯正をした方なら、誰もが分かることではありますが、矯正では「mm(㍉)単位」で髪の毛をでストレートアイロンでプレスをしていきます。
それこそ健康な髪のところで180℃から、毛先にいくにつれて温度を変えたとしても150〜130℃前後となります。
ほぼ全ての髪に熱処理を加えるために負担はかなり大きいものになっています。
その状態の矯正毛に、さらにアイロンを加えるとなると、負担はより大きくなりダメージは深刻なものになります。 それを考えるとしない方がいいという気持ちも分かってもらえるはずです。
それだけでなく、一度すると次の日やその次の日も続けてしたくなります。そういう積み重ねのダメージもあるからです。
縮毛矯正をした髪にアイロンを使ってはいけないわけではない
でも、使ってはいけないわけではないです。どうしても気になるときはありますからね。
縮毛矯正をした後の髪に、ヘアアイロンは絶対に使ってはいけないのかというと、そういうわけではありません。
スタイリングとしてヘアアイロンをすれば、当然ながらキレイになるし、コテアイロンで巻き髪もイメージを変えたりもすることができます。
気になる時は使うべきだし、ヘアアイロンは必須だとも言えます。注意すべきなのは「使い方」や「方法」ということ。
髪の状態をしっかり見極めて、使い方を変えたり、ヘアケアをしたりと、すべき対策をしないと、後々後悔してしまうようなダメージになったりします。
あとで、正しいアイロンの使い方もお話するので、最後まで読んでいってくださいね。
縮毛矯正をした髪には「ブロー&アイロン」の組み合わせがおすすめ
いつもキレイにしたいという方には、ブロー&アイロンの組み合わせをおすすめしています。
常に、美しい状態を維持したいという方には、ブローと軽いヘアアイロン(熱を弱めにする)がおすすめです。
ブローも熱によるダメージはあるものの、アイロンに比べると格段に負担は減ってくれます。
何もしないのが一番負担が少なくダメージは少ないのですが、「傷んでいない髪がキレイに見えるのか」というとそういうわけではありません。
つまり、ある程度キレイにするためには、髪への負担はありきで考える必要があります。
普段の日常ではブローを中心にキレイにしつつ、お出かけの時や写真に残すような時にはヘアアイロンでキレイにするというようなルーティンにするのがおすすめです。
目次に戻る縮毛矯正をした髪に最適なヘアアイロンの選び方
ヘアアイロン選び方のポイントをお話していきます。美容師として10年以上ストレートアイロンを使っているので、選ぶポイントを分かりやすくお話します。
いくつかの選ぶ時のポイントをお話しますが、あくまで参考程度に考えてくださいね。
ヘアアイロンの大きさやサイズはポイント
- 自宅で使う
- 家だけでなく外でもよく使う
- ヘアスタイルはショートかロングか
などを事前に想定して、サイズと重さ、コードを確認しておく必要があります。
自宅で使う用
自宅で使うヘアアイロンは、スタンダードタイプがおすすめ。だいたい30センチ前後で、パワーもありつつ、使いやすいというタイプ。あまり迷うことはないでしょう。
外でもよく使う用
持ち運びにもアイロン使うなら、コンパクトタイプやコードレスタイプなどもおすすめ。この場合は自宅用と別にしておくと効率がいいです。
コードの長さをチェック
お家の設計なども考慮してコードの長さや種類を選ぶのも重要です。短いものであれば延長コードが必要になったり、長いと絡まったり、アイロンの故障に繋がります。
価格の高いアイロンと安いアイロンの違い
価格の高いカールアイロンと価格の安いアイロンの違いにはいくつかあります。
- プレート部分
- 温度
- ディティール
これらは、1〜2回ほど使うぐらいならはそれほど重要ではありませんが、毎日のスタイリングになると効果を実感してもらえるはずです。
とくにアイロンは100度を超える高温になります。髪にとっては大きな負担にもなります。
とはいえアイロン自体使わないというのもストレスになります。そのためこのブログではアイロンは良いものを使った方が良いというスタンスなのです。
さらに詳細に知りたい・おすすめのストレートアイロンやコテを知りたいって方は下記事にまとめているので、よければ一緒に参考にしてください。
縮毛矯正した後の正しいアイロンの使い方
次に、ダメージになりにくいアイロンの使い方についてもレクチャーしていきます。
正しく使うことで髪への負担も最小限になりつつ、キレイにできるので参考にしてくださいね。
へアイロンを使わないとキレイにはならない、とはいえ間違ったやり方だと負担が大きくなりダメージになる。
そんな時には正しくアイロンを使うことで、アイロンによるダメージヘアの危険を最小限に抑えることができます。
ここでは、ストレートアイロンとコテアイロンの2つの使い方で注意すべきポイントをお話してきます。
縮毛矯正をした髪にするストレートアイロンのやり方
まずは、使用率が高いストレートアイロンから説明します。よく使う人はできることからしていきましょう。
- しっかり乾かす
- 洗い流さないトリートメントをつける
- ヘアスプレーをつける
- ブラッシングをする
- 温度は160℃〜180℃くらい
- アイロンするときは上下前後で分けて少ない量でする
- アイロンをスルーさせるときは1秒以上同じところをしない
- アイロン後はヘアスプレーで髪を保護する
この8つがとくに大事になると考えています。
アイロンをする上では、とにかく髪を優しく丁寧に扱うようにしましょう。
縮毛矯正をした髪にするコテアイロンのやり方
続いてコテアイロンの使い方もお話していきます。
- しっかり乾かす
- 洗い流さないトリートメントをつける
- ヘアスプレーをつける
- ブラッシングをする
- 温度は160℃〜180℃くらい
- アイロンするときは上下前後で分けて少ない量でする
- 少しづつ毛束をとってする
- アイロン後はスプレーorワックスで保護しましょう
よく見れば、ストレートアイロンとそれほど違いがあるわけではありません。アイロンの原理は同じになるので、後は違いとしては、「平ら(ストレート)」か「丸い(コテ)」かです。
どちらも事前の髪の状態を整えて、細かく手早く使うことが大事になります。
あとは使う上での慣れが重要になるかと考えます。
目次に戻る縮毛矯正をしていてもヘアカラーもしたい・髪の毛を染めたいって方に向けて
縮毛矯正で、サラサラでツヤツヤのストレートヘアを手に入れたから、次はヘアカラーをして髪色を変えたいとなった方へ。
実は、縮毛矯正をした髪にヘアカラーをするには3つの注意点があります。
- 縮毛矯正とカラーと順番
- 縮毛矯正とカラーの同日施術
- 縮毛矯正とブリーチはNG
順番にお話します。
縮毛矯正とヘアカラーの順番
縮毛矯正とヘアカラーの関係上、順番を守る方が髪には良いことが分かっています。とくに少し順番を間違えると、矯正のかかり方が弱くなるだけでなく、髪のダメージにも繋がるため、極力順番を意識してすることをおすすめします。
具体的にお話していきます。
基本的には縮毛矯正が先にする
結論から言うと、基本的な順番は縮毛矯正が一番最初にすべきだと考えています。
まず前提としては縮毛矯正という技術は髪への負担が大きいものになっています。
縮毛矯正の原理は「薬剤(還元剤)+ヘアアイロン(熱処理)=ストレートヘア」という計算式から成り立ちます。
健康な髪の状態なら薬剤も100%のパワー、ヘアアイロンも100%のパワーで施術することができ、合わせて200のパワーがあってこそ、ようやく、くせ毛をストレートヘアに矯正することができます。
つまり、「薬剤(100%)+ヘアアイロン(100%)=ストレートヘア(200%)」となります。 かなりざっくりしていますが、最終的にストレートにするためには薬剤とアイロンの2つの力が必要不可欠となります。(ちなみにどちらのパワーに偏ったりしたりもあります)
とはいえ、現実にはこんなに簡単でシンプルなものではありません。
なぜなら、ここに髪の状態(耐久度)が加わってくるからです。
どうことかというと、髪の耐久度によっては薬剤の比率が低下せざるをえなくなります。それは薬剤のパワーに髪が耐えれないからです。
例えば、ヘアカラーを一度していると、ダメージになり髪の耐久度は20%ほど低下するとイメージします。
健康な髪の耐久度が100%で、ヘアカラーを1度することで20%低下して80%になります。そうすると薬剤のパワーも80%までしか発揮できずにそれ以降にはオーバーダメージになり、大きな負担になるからです。 つまり、ヘアカラーを一度しているだけで矯正する効果は20%ダウンするということになります。
“]髪の耐久度と、先程の計算式を用いると「[move]髪の耐久度=薬剤+ヘアアイロン=矯正」が、最終的な見極めるための「縮毛矯正の計算式」となります。
最終的に矯正をするためには200%のパワーが必要にはなりますが、それだけ薬剤とアイロンのパワーを使えるかどうかが、キレイな矯正を使うためのポイントとなります。
ヘアカラーを先にしていてもできるが…
とはいえ、ヘアカラーしていると矯正ができないわけではありません。
髪の状態(ダメージレベル)にもよりますが、大きなダメージでなければ、ヘアカラーの後でも矯正をすることはできますが、矯正をするという方にとっては優先度は高くなってしまいます。
そのため、矯正をしている(する予定)のある方はスタイルが限定される上に、ヘアスタイルを限定されるだけでなく、楽しむこともしづらくなります。
縮毛矯正とヘアカラーの同日施術は
もし同日施術、つまり同じ日に縮毛矯正とヘアカラーをしたいとなった場合は、縮毛矯正をしてからヘアカラーをすることになります。ですができれば違う日にそれぞれしないと、髪に余計に負担がかかってしまします。
薬事法的には「NG」です。ヘアカラーと矯正の薬剤を一緒にすることは髪にとっても大きな負担にもなるため、本来では「してはいけない」というのが正解です。
とはいえ、ほとんどの美容室ではこの同日施術をしています。
こちら側としても同日の方が楽だし、単価も上がる、何よりもお客様の要望にも答えれるというたくさんのメリットがあります。実際に同日施術をして何か危険なことがあるわけでもありません。
つまり…
できなくはないがしない方がいい
というのが、本音を踏まえた上での結論になります。
もちろん、同日施術は絶対にしないという美容室や美容師もいますが、その答えは正解です。本来ではしてはいけないのが正解ですが、することによって何かあるわけでもありません。
ただし、当然ながら自己責任にもなりますし、髪が大きなダメージになる可能性もあります。
その辺りは美容師と意思疎通をとりつつ、進めていくことをおすすめします。
そもそも脱色も染色もしづらい
縮毛矯正をする時に使われるヘアアイロンによる熱処理が、髪のタンパク変性を引き起こします。これが原因となります。
実は、髪のほとんどはたんぱく質で構成されているために、卵とよく似ている、つまり…
「生卵を目玉焼きにする過程」と「髪をヘアアイロンをする過程」
はとても似ているのです。
目玉焼きを作る時は、フライパンを加熱して、温まると生卵を落とし、様子を見ていきます。強火であれば300℃近くあり、弱火なら200℃を下回ります。
これは髪にも同じことが言えます。つまり同日施術にはそれぐらい注意が必要ということです。
ブリーチや極端に明るい色には注意
結論としては、ブリーチと「縮毛矯正」を同じ髪にはすることはできません。
極端に明るい髪色の場合、縮毛矯正がかかることはありません。仮に縮毛矯正が上手くいったとしても、サラサラのストレートヘアには程遠い仕上がりになる上に、スタイルとしての持続期間は非常に短いです。
ブリーチをするのも、ブリーチをしている髪にも縮毛矯正は控えるようにしましょう。
縮毛矯正の後にパーマをしたい・巻き髪にしたいって方へ
縮毛矯正はストレートヘア、パーマはウェーブヘア、相対的なヘアスタイルになるため相性は非常に悪いです。パーマをすることが大体の場合はNGです。ですがかけることは可能です。
なぜ縮毛矯正とパーマは相性が悪いのか、は当然ながら、ストレートとパーマが全くの正反対のスタイルをつくるからに他なりません。ストレートにしたり、パーマにしたり、とってつけかえたり気軽にできるほど、美容技術はまだまだ発展しているわけではないからです。
縮毛矯正をした方だったら理解してもらえると思いますが、くせ毛を真っ直ぐなストレートヘアにするには、アイロン操作があります。
この矯正の薬液だけではないヘアアイロンを使った「熱処理」が強力となっています。
矯正とパーマはあまり交互に繰り返さないほうがいい
やはり、ストレートとパーマという正反対のスタイルをつくるため、髪の負担が大きくなっているため、できるだけ未来を考えたスタイルつくりをイメージする。
矯正をした後でもパーマをかけることはできます、しかし、髪に大きな負担にもなるためしない方がいいというのも確かです。そのため、ストレートにしたり、パーマにしたり、交互には繰り返さない方がいいです。
ベースとなるヘアスタイルを、ストレートヘアにするか、パーマヘアにするか、を設定しておき、気分によってヘアアイロンストレートにしたり、巻髪をつくって動きを出すのが一番ベストだと考えています。
正直なとこ、何もしないという一番髪への負担も少ないのですが、「傷んでいない」というのと「キレイに見せる」というのは全くの別物です。
何が言いたいかというと、傷んでいない髪がキレイに見えるものでもないということです。
まぁそれは置いといて。
髪への負担も少なくしつつ、パーマもストレートも楽しむ場合は、どちら一方にスタイルを決めておいて、状況に合わせてスタイリングがベストになるはずです。
縮毛矯正でもかけることができるパーマ
デジタルパーマなら縮毛矯正の後でも可能
先にお伝えしますが、どちらのパーマも矯正しているストレートヘアをパーマヘアにすることができますが、
それぞれのパーマの本来の魅力を100%発揮することはできません。
つまり、パーマはできるものの、矯正が邪魔をしてイメージ通りにはパーマはできないことを念頭において読み進めてください。
上記でもお伝えしたように、縮毛矯正のアイロン操作が強力すぎて、普通のコールドパーマではほとんどパーマにならない、もしくはなったとしてもイメージ通りには100%ならないです。
そんな矯正した髪にもできるパーマとは、縮毛矯正と同じような原理で行う「ホット系パーマ」なら可能です。
ホット系パーマならば、縮毛矯正をしていてもパーマスタイルにすることは充分に可能です。
それを可能にするのが、髪に直接「熱」を与えるために髪に形状記憶させる技術によってつくることができるからです。
一昔まえまでは「形状記憶パーマ」と呼んでいる美容室もありました。薬剤50〜 | 熱処理50〜で施術するのでダメージを軽減することができる特殊なパーマです。ホットパーマの特徴で特に素晴らしいのが、薬剤と熱を利用してパーマをかけるということです。
本来、コールドパーマは薬剤作用のみの施術になるために、髪質やスタイルによっては不可能なケースというのもあるのですが、デジタルパーマの場合は薬剤作用のみでは不可能なケースを熱を使うことによって可能にできるのです。
ヘアケアもかなり重要になる
パーマ施述後のご自宅でのヘアケアもとても重要です。
安価なシャンプー剤等には、基本的に石油系、高級アルコール系の界面活性剤が使用されており、洗浄力が強くなっているため、パーマを組成する髪の中の主要な成分を過剰に流出させてしまい、持続性も悪くなってしまいます。
- アミノ酸シャンプーで優しく洗う
- 髪に必要な栄養成分を補給する
- ダメージによって生じる水分量をうめる
これらのことで髪の負担を少しでも改善します。
あとがき
- アイロンは使わない方がいい
- 使ってはいけないわけではない
- おすすめは「ブロー&アイロン」の組み合わせ
- 正しく使えば多少なら平気
縮毛矯正とヘアアイロンの関係性についてまとめてみました。
縮毛矯正をしていても使うときはありますが、使い方など重要なポイントを抑えておくと結果が全然違ってきます。
縮毛矯正をした部分というのは、くせ毛が戻るということは基本的にはありません。しかし、生まれもったくせ毛を真っ直ぐにするということは、それなりにリスクもあるということです。
そのリスクというのはが「ヘアダメージ」で、ヘアアイロンではダメージを隠すことができるため使う方が多いので、
使わない方がいいが、使っても問題はありません。
とはいえ「使い方」はしっかり意識すべきだと考えます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。ご質問やご感想は、以下までお寄せください。