専門家が教える頭皮の臭いの原因と対処法
私は頭皮が”脂っぽい”感じで、仕事から帰ってくると、髪が少し湿っています。そして、少し脂(あぶら)臭い感じが悩みです。最近はシャンプーしてから数時間後には、髪からツンとした臭いがします。これは何が原因なのでしょうか? また臭い対策に良いいシャンプーもあれば教えてください。
こういった疑問についてお答えしていきます。
頭皮から臭いになる原因と対策について
仕事帰りに感じてしまう、「なんか頭皮から脂っぽい臭いがする…」なんていうのはよくある悩みの一つです。
そして、男性によくありがちなのが、この”頭皮の嫌な臭い”です。
女性に比べて皮脂の分泌量が多い男性に多いのですが、最近では女性でもこういう悩みのある方が多いような気がします。
そこで、今回はそんな悩みを改善できる手助けができればと思って、まとめてみました。
当記事では、嫌な臭いがする原因と臭いの対策についてを分かりやすくお伝えしていきます。
視点からのアドバイスと考え方を分かりやすくお伝えしていくコンテンツです。
頭皮から「嫌な臭い」が発生する原因
まずは、頭皮から”嫌な臭い”が発生する原因についてお話していきます。
頭皮から嫌な臭いが発生するのは、男性だけでなく女性でも発生することなので参考にしてください。
頭皮は、汗と同じように、頭皮にある”皮下組織”から”皮脂”が分泌される仕組みになっています。
その”皮脂”を放置することによって酸化して「過酸化脂質」が原因となることが大半となります。
過酸化脂質とは?
過酸化脂質(かさんかししつ)はコレステロールや中性脂肪といった脂質が、活性酸素によって酸化されたものの総称である。中性脂肪由来の過酸化脂質は細胞内でスーパーオキシドアニオンを発生させる。それが核内のDNAを損傷させる作用を持つため、数あるがん発生原因のひとつであると考えられている。
>>参照
簡潔に説明すると、皮脂が空気にあたり酸化することで、嫌な臭いの元になる悪玉菌のことです。
ここで肝心になるのが、臭いのする人としない人がいるのはなぜなのか?ということです。
原因となる、
「なぜ皮脂が酸化するのか?」
ということがポイントです。
実は、皮脂というのは、毎日シャンプーしていれば、酸化する前に洗い落とすことは充分可能です。
では、なぜ酸化するほどに皮脂が残ってしまうのかというと、頭皮の”乾燥”が原因となります。
頭皮は、通常では適量の”皮脂”を分泌する仕組みになっていますが、頭皮の乾燥によって頭皮は地肌を守るために、”過剰に皮脂を分泌”してしまいます、
さらに、増加したために”皮脂”をシャンプーだけでは洗い落としきれずに、シャンプーをしたあとにも関わらず、頭皮に皮脂が残り”酸化”してしまいます。
大量に分泌された皮脂に付着した”ほこり”や”汚れ”は、雑菌でもある「マラセチア菌」が増殖することによって、「脂漏性皮膚炎」も発症します。
「脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)」について
脂漏性皮膚炎とは、カビの1種でもあるマラセチア菌が頭皮で繁殖し、皮脂にある刺激物質を変化したものによって起因する症状です。
マラセチア菌とは常在菌の1つでもありますが、通常よりも多くなることによって皮膚炎を起因します。
この脂漏性皮膚炎は、毛穴が詰まりそこからくる炎症やかゆみによって頭皮環境が悪くなります。
また、ヘアサイクルである成長期や退行期、休止期まで保つことが難しくなり、最悪の場合は薄毛になる場合もありますので、早めのケアが重要になります。
「マラセチア菌」増殖の原因
脂漏性皮膚炎の原因でもあるマラセチア菌は、常在菌の1種ですが、これらは通常であればそれほど害のあるものではありません。
頭皮は通常では適量の”皮脂”を分泌する仕組みになっています。
しかし、乾燥によって、頭皮は頭皮自身を守るために”皮脂”を分泌する仕組みになっています。
頭皮の乾燥によって頭皮は地肌を守るために、”過剰に皮脂を分泌”してしまいます、結果として、その”皮脂”が髪や頭皮に残ったまま固まってしまうことがあります。
頭皮は通常こういう”層”になっていて、表面にある”表皮”が頭皮を守っているのですが、何らかの要因によって正常に働かなくなり、”皮脂”を多く分泌することがあります。
頭皮が乾燥しマラセチア菌が異常をきたすほどに繁殖し、発症するのが”脂漏性皮膚炎”です。
結果として、皮脂が大量に発生して、シャンプーだけでは洗い落とすことができずに、酸化してしまい”嫌な臭い”の原因となるのです。
目次に戻る頭皮の臭いの改善策
原因の次は、ケアするための手段についてお話していきます。
頭皮トラブルは誰にでもあることです。まずは落ち着いて何をすべきか明確にしていきましょう。
上記でお伝えしたように、”頭皮の嫌な臭い”の原因は皮脂の増加、つまり、原因となる頭皮の乾燥を防ぐというのが、今回の悩みをケアするキーポイントになります。
今回の悩みの原因は”乾燥”となるので、ケアするために大事になるのは頭皮を保湿するということになります。
ここでは、美容師的に合理的な改善策をまとめてみました、ある程度の症状ならば効果的なはずです。
- シャンプーのやり方を変える
- シャンプー剤を優しいものに
- 炭酸シャンプーを保湿する
- 頭皮エッセンスで保湿する
- シャンプー後は乾かす
- 髪に栄養の高い食事も変える
この6つが一番有力となります。順番に見ていきましょう。
保湿対策① | シャンプー法を見直す
シャンプーを見直す上では、シャンプーの乾燥を緩和することに繋がります。方法と一緒に見直しましょう。
できれば、夜にシャンプーしてあげるのがベストです。
髪が成長するための時間帯は、夜の22時〜深夜2時が一番活発です。その間はできるだけ、就寝する・清潔にしておく、ということがおすすめとなります。
- 基本は1日1回を守る
- 優しいシャンプーを心がける
- 頭皮地肌の保湿を忘れない
- ヘアサロンでの「ヘッドスパ」はおすすめ
こちらも一緒にチェックしていきましょう。
頭皮トラブルを抑えるという問題をケアする上で、とくに重要となることがあります。
それは、「頭皮を優しく扱うということ」です。
それを意識していけば必ず髪や頭皮地肌の負担は減り、結果として頭皮環境はキレイになっていきますので、チャレンジしていきましょう。
- お風呂前のブラッシング
- シャンプー前のお湯すすぎ
- 泡立て
- 予洗い
- 洗い方
- トリートメント
こちらも記事にしているので、さらに詳しく知りたい人はこちらもどうぞ。
保湿対策② | シャンプーを保湿するものに変える
「シャンプーってどれも同じじゃないのか」という質問もありそうですが、実はそうではありません。
市販シャンプーやメンズ用のシャンプーは洗浄力の強いシャンプーが大半です。
特にラウリル硫酸系のシャンプーが多く、洗浄力が強く必要な皮脂までをも取り過ぎてしまう傾向にあります
刺激の強い”高級アルコール系”のような石油系シャンプーの場合は、価格も安く使いやすいシャンプーなのですが、大きなデメリットに刺激が強いということがあります。
簡単に説明すると、頭皮の汚れをしっかりとってくれるのですが、頭皮地肌に必要なものまで洗浄してしまうということになります。
石油系シャンプーや石鹸系シャンプーといった種類は刺激も洗浄力も強く、頭皮地肌を乾燥させやすい傾向にあります。
アミノ酸シャンプーやボタニカルシャンプーなどは、洗浄力は強くはないですが刺激も少なく優しいシャンプーになるのでおすすめです。
関連記事▶【人生激変!】美容師が教える効果のあるおすすめ「サロンシャンプーTOP20」
保湿対策③ | 頭皮ケアもする
頭皮ケアをしてあげることが、頭皮の保湿に繋がります。頭皮ケアではとくに「炭酸シャンプー」がおすすめです。
そもそも髪を作っている身体の部位は”頭皮”です。その頭皮のケアをしていないと、乾燥のしやすい弱い髪になることもあります。
さらに、ボリュームが出しづらくなる髪の要因を詳しくお話します。
乾燥にも負けない髪をつくるために頭皮ケアが必要になる
髪のボリュームには、頭皮の状態が大きく影響を受けています。
要因① 年齢に伴うヒアルロン酸の減少
地肌のうるおい、やわらかさと厚みに大きく関係するヒアルロン酸の量は、年齢とともに減少し始めます。
加齢やストレスによる前頭筋、側頭筋、後頭筋の萎縮。 頭の前頭筋、側頭筋、後頭筋は加齢やストレスによって収縮します。これらの筋肉の収縮により帽状腱膜(ぼうじょうけんまく)が引き伸ばされ、薄くなり、固く動きにくくなります。
地肌の厚み低下による毛細血管の萎縮。 年齢とともに地肌の厚みが低下し、毛細血管が萎縮。その結果、血流がわるくなり、髪の栄養不足になります。
要因② 女性ホルモン量の低下に伴う「VEGF-A」の減少
年齢と共にエストロゲンが減少します。すると毛包周囲に毛細血管を太く張り巡らせる働きのある遺伝子「VEGF-A」の量が減少します。
「VEGF-A」の量が減少すると、毛包周囲の毛細血管が萎縮し、髪の成長に必要な栄養の不足に繋がります。
これらが原因となり、細毛や猫毛になり、髪が弱く乾燥のしやすい髪にもなります。
予防ケアするためには”頭皮ケア”が必要となります。
保湿対策④ | 頭皮地肌の「保湿」を忘れない
髪を保湿するのは、一般常識になってきていますが、実は頭皮地肌への”保湿”も大事になります。
スカルプケアと言えば、どんなことを思いつきますか?
頭皮のケアって何をするか知らない方は結構多いです。
例えば、「顔」の場合では、洗顔をした後には、保湿をするために「化粧水」をつけるのがいわいる定番というやつです。それは頭皮でも同じです。
頭皮にも「頭皮用化粧水」というものがあります。
頭皮地肌はシャンプーの界面活性剤によって、皮脂をとり清潔な状態にはなりますが、逆に言うと「乾燥」しやすい状態でもあります。
そのため、清潔にした後に”保湿”してあげるのが、抜毛を抑えるためのかなり重要なポイントになります。
毎日のスカルプケアによって抜毛は抑えられます。頭皮をケアする頭皮用化粧水をけましょう。
保湿対策⑤ | 髪を乾かす
髪を乾かす=乾燥になるから、乾かさない方がいいという人もいますが、乾かすことによって頭皮の温度は正常に保たれます。
頭皮が自然乾燥だと、頭皮の温度が通常に比べて低くなりやすく、とくに冬の時期は乾燥しやすくなります。
できるだけ早いタイミングで乾かすことで、頭皮の保湿に繋がります。ちなみにドライヤーの温風によって頭皮が温めららえるので保湿効果にも貢献してくれます。
加えて、髪のまとまりは、髪を乾かすことでつくれます。逆を言えば”乾かさない”といくらキレイな髪でもキレイに見えなかったりもします。
できるだけ乾かす習慣をつけましょう。
保湿対策⑥ | 髪に良い栄養を摂取する
健康な髪をつくるためには、髪の成長にとって必要な”栄養素”を直接摂取する必要があります。
髪にとって良い栄養素というのは具体的には、ビタミンやミネラルそして髪の構成成分であるたんぱく質です。
逆には過剰な糖分や脂肪分は、頭皮の血行を悪化させ皮脂の過剰分泌を引き起こすこともあります。
野菜や果物が少なくカロリーの高い偏った食事を続けていると不健康になり、抜け毛の原因になることもあるので注意が必要となります。
- 海藻類
- 亜鉛
- ビタミンA
- ビタミンB
- カルシウム
- たんぱく質
- フルーツ
栄養は食物からカラダを通り、髪に行き渡ります。できるだけ髪に良い物を摂取する工夫をしましょう。
あとがき
頭皮トラブルの一つで、”頭皮の嫌な臭い”についてをまとめてみました。
こういう記事が誰かの役に立ってくれると幸いです。
- 臭いの原因は「過酸化脂質」
- 皮脂が「酸化する」ことで過酸化脂質に変化する
- 「頭皮の乾燥」が原因で皮脂が大量に分泌される
- 改善には「保湿」が大事
ここまで見てもらえれば分かりますが、日々のルーティン(習慣)によって、髪のキレイや頭皮の乾燥が成り立ちます。
逆に言えば、日々のケアを怠ることによって、髪や頭皮トラブルに繋がると考えているので、お肌と同じようにしてコツコツとケアを積立ていくようにしていきましょう。
こんな感じで以上です。
一つでも参考になれば幸いです。