美容師が教えるpH(ペーハー)の特徴と「髪との関係性」
pH(ペーハー)の意味と解説
「pH(ペーハー)」をご存知ですか?
よくpHというワードを見かけます、「お肌のpH」とか「食生活のpH」などという風に、すでに生活の中にもたくさんのpHというワードが使われています。
しかし意外に、「pH」を具体的に何なのか知らない人も多いです。
そこで当記事では、pHの意味とpHと髪の関係性について、分かりやすくお話します。
pH(ペーハー)について
まずは「pH」について分かりやすくお話します。
「pH」って美容関係にはよくでてくるワードです。
例えば、長さを表すのに「m(メートル)」や重さを表すのに「kg(キログラム)」という単位があるように、水溶液の性質を知るために必要な単位には「pH(ペーハー)」を用いられるのです。
では、pHは水溶液のどのような性質をあらわす単位なのでしょうか。
pHの読み方
日本では科学の情報の多くがドイツから入ったため、pHは「ペーハー」とドイツ語由来で読まれていました。歴史的背景から、今でも年配者の方に多い読み方です。
一方では、現在の日本では計量単位規則により「ピーエッチ」と読むことが義務付けられ、学校でも「ピーエッチ」と指導しなければならないようですが、昔の名残りから、先生の中でも「ペーハー」と読んで指導してしまう方もいるようです。
そして、ほとんどの美容師も「ペーハー」と呼ぶことが大半です。
pHの「酸性・中性・アルカリ性」について
水物に性質を図る場合にpHをという単位を使います。
水の状態によってそれぞれの異なる性質があるのです!
- 酸性
- 中性
- アルカリ性
それぞれの性質が分かれます。
レモンのしぼり汁をなめてみると「酸っぱい」味がします。
また、石けん水はヌルヌルしてなめると少し「苦い」味がするはずです。
これはレモンは酸性、石けん水はアルカリ性といった性質があります。
つまり、pHとはこのような水溶液の性質(酸性・中性・アルカリ性)をあらわす単位のことなのです。
pHの数値には、「0〜14」までの規定値があって、それによって酸性・中性・アルカリ性にわけられています。
pH | 液性 |
---|---|
3.0未満 | 酸性 |
3.0以上、6.0未満 | 弱酸性 |
6.0以上、8.0以下 | 中性 |
8.0以上、11.0以下 | 弱アルカリ性 |
11.0超えるもの | アルカリ性 |
この数字によって分けられていきます。
目次に戻るpHと髪の「関係性」
水溶性の単位と言いましたが、髪にもpHは大きく関係してきます。
そのためような髪を扱う職業の人はpHは日常的なワードなのです。
主に、pHを単位として使用するのは「薬剤」です。
pHによる酸性・中性・アルカリ性の度合い(強さ)は、薬剤の強さにも関係します。
pH | 種類 |
---|---|
酸性 | ヘアマニキュアカラートリートメントカラーシャンプー |
中性 |
|
アルカリ性 |
|
髪に関する薬剤関連を分別するとこのようになります。
さらに、性質の薬剤を髪に使用することで、髪も使った薬剤の性質にかたよってしまいます。
アルカリ性のものを使えば髪も一緒にアルカリ性にかたより、同時にヘアダメージとして見た目も変化していくのです。
ヘアカラーやパーマという薬剤は、「髪には良くない」ということを聞かれたことはあると思いますが、どう良くないのかというこのpHがアルカリ性にかたよっているからなのです。
例えば…
「石けんで髪を洗ってはいけない…」石けんで髪を洗うとどうなるか想像できますか?
バシバシになり絡まり、髪がとても傷んでしまうのです。これはpHがアルカリ性だからです。
逆に、pH酸性のものでは、髪や頭皮には優しくて適してはいますが、
- 「しっかりと汚れをとりたい!!!」
- 「色をガッツリと一気に明るくしたい!!!」
- 「パーマをクリックリッにかけたい!!!」
なんて時には適していませんので、酸性ではなくアルカリ性のものを使う必要があります。
ヘアカラーやパーマも同じようにアルカリ性なので、髪への変化をさせることはできますがアルカリ性なので髪を傷ませてしまうのです。
つまり、パワーの強いものがアルカリ性で、パワーの弱いものが酸性、そのあいだにあるのが中性というわけで、使う目的と使う人に髪に合わせてpHを基準に合わていくことが重要になるのです。
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目次に戻るあとがき
pHは髪をあつかう職業にとってはとても重要なワードになるのです。
髪の状態や、薬剤の特徴もpHで分別できるので目安にもしやすいんです。
もちろんシャンプーにもpHがあり、髪や頭皮に合わせて考える必要があります。
髪にはもちろん酸性(アミノ酸・オーガニック・ボタニカル)よりのシャンプーがおすすめです。
カラーに関しても同じことが言えますが、カラーに関してはアルカリカラーでければできない髪色が多いので、アルカリカラーを使って上手く活用をしてほしいと思います。
よく考えて、髪にあったものを使いましょう。
髪とpHの関係性を考えると、カラーやパーマが怖くなりそうですが、髪の色や髪の形状を変えるためには、アルカリ性の力が必要になります。
つまり、アルカリ性がダメとか酸性が良いといったことを言いたいわけでなく、どれもが必要なもので、あなたの使う目的と使う髪によって、適材適所があり見極めて合わせることが大事だということなんです。
「pH」はそんなことを教えてくれます。