生理中の縮毛矯正はしない方が良いのか?さまざまな視点でまとめてみた

美容院に行く日に生理3日目なんですけど、周りの人から「生理中は縮毛矯正かからない、かかりにくいよ」と言われました。
実際に、生理は関係あるんでしょうか?
こういった疑問をいただいたので、自分なりのアドバイスを含めてお答えします。
縮毛矯正に関するお悩み改善記事
「生理中のヘアカラーのご使用はお避けください」
市販のカラー剤にも記載されている注意書きですが、生理中は髪が染まりにくいということもよく言われますが、「縮毛矯正も同じようにしない方がいいのか?」と、不安になってしまいますよね。
- 生理中の縮毛矯正はかかりづらくなるのか
- そのあいだは控えるべきなのか
- 美容師による経験談やアドバイス
まずはじめに「生理(月経)」を知ろう


当然ですが男性は生理自体の知識もないので、「なぜ生理中の縮毛矯正はいけないのか」その理由を知らない人が多いです。

知らないからこそしっかりと調べなければと思い記事にしました!
女性はもちろん、男性でも分かるように生理の基本知識から、生理中のヘアカラーがいけない理由をお話していきます。
月経(生理)サイクルは4つの期間で構成される

- 生理開始から5日前後までを「生理(月経)」
- 5~12日前後までを「卵胞期」
- 12~17日前後までを「排卵期」
- 17~28日前後までを「黄体期」
女性の身体は月のサイクルはこの4つでできています。
この4つのサイクルでは、自身の体調が変化します。これはホルモンバランスの調整が身体で行われることによって、分かりやすくいうと体温が大きく変化します。
高くなったり、低くなる。
例えば、平熱が35度の方が、どれくらいになれば微熱とされるか知っていますか?そうです、1度上がるだけで微熱状態となります。
たった1度です、そんな微妙な変化でも人は身体がだるくなったり、頭痛、めまいなどを引き起こします。つまり女性はそんなサイクル(身体の変化)が頻繁にくるということになります。
さらに4つの期間を分かりやすく解説します。
生理に伴う性器からの出血や不快な症状が表れる期間で、大体3~7日間続きます。一般的な生理というのは、この期間のことを指します。
生理後の7日前後の期間のことで、卵巣で新たな卵子(卵胞)が作られ成長していく期間です。
受精卵を着床するための子宮内膜の組織も増殖して厚みを増します。
卵胞期の後の5日前後の期間で、成熟した卵胞から卵子が飛び出し卵巣を出ていく「排卵」が起こります。
排卵期の後の10日前後の期間です。
ちなみに、この期間中に排卵された卵子が精子と出会い結合(受精)し、受精卵が子宮内膜に着床する期間です。
これらが月経の基本になります。
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生理中は女性ホルモンのバランスが崩れることから、肌荒れやニキビが出たり、ちょっとしたことで肌が赤くなったり痒くなったりします。
それが原因となって、カラダ全体の免疫力が低下することが原因となります。
お肌が敏感・免疫力が低下している時期にカラーやパーマ、縮毛矯正をしてしまうと、毛根に液が浸透して炎症を起こしてしやすいため、生理中はこういった美容室や美容院を避けるように言われる事が多いです。
そもそもなぜ避けなければいけないのか、ということが分からない人のためにサクッとお伝えします。
縮毛矯正だけでなく、カラーやパーマでは、髪の見た目(色や形)を変えるために薬剤を使用します。
ほとんどの場合では、アルカリによっているお肌には刺激が強いものを使います。これが生理中ではトラブルに発展する可能性があるとされています。
さらに生理中は、皮膚や身体が過敏になっているため、今まで使っていて大丈夫だったカラー剤やパーマ剤であってもアレルギーやかぶれなどを引き起こす可能性もあります。
毛染めによ る 皮膚障害の多く は接触皮膚炎であ り 、 その直接的な原因はヘアカラ ーリ ング剤であ る 。 ヘアカラ ーリ ング剤の中でも 酸化染毛剤は特 にアレルギー性接触皮膚炎を引き 起こ し やすく 、 こ のこ と は理・ 美容師や皮膚科医の間ではよ く 知 ら れている 1 )
引用元:毛染めによる皮膚障害に対する名古屋文化短期大学 トータルビューティーコース学生の意識調査|名古屋文化短期大学研究紀要
これはヘアカラーに関する情報ですが、縮毛矯正の薬剤でも同じことが言えます。
つまり、これまでの情報をまとめた上で、ぼく自身の見解も入れて項目をまとめてみると、
- 生理中の縮毛矯正は控えた方がいい
- カラーやパーマほど注意が必要ではない
- 美容師的には何か問題あったことはない
- 生理中にカラーをして違和感を感じたらすべきこと
こんな感じになります。
月経中(生理)の縮毛矯正は控えた方がいい


先ほど少し触れましたが、体温の高い低いという事が大きく影響します。生理中は体温は低温期となりますので、薬剤のコントロールが非常にシビアになります。
当然ですが、この期間中の縮毛矯正は控えた方が良いです。
ここまでなぜ注意すべきかを話してきているので、これは理解してもらえるはずです。
女性ホルモンは2種類あります。
- エストロゲン(卵胞ホルモン)
- プロゲステロン(黄体ホルモン)
このホルモンが低くなったり高くなったりする調整がされることで、髪の調子が大きく変わることがあります。
- 「生理」…生理から約1週間は両方のホルモンが一定に分泌、低温期に入ります
- 「卵胞期」…生理が終わり排卵前まで。エストロゲンの分泌量が増加、低温期から徐々に体温が上昇していく事から一番良好な状態です
- 「排卵」…排卵日前後はプロゲステロンの分泌が増加、排卵日に一旦体温低下後、高温期に入ります
- 「黄体期」…排卵後から次の生理までの期間。エストロゲンの分泌が減少 高温期で体温が最も高くなり、身体には一番負荷がかかってくる期間です
また、生理中は上記のホルモンの分泌バランスが崩れやすい不安定なので、薬剤の浸透にムラがでやすくなります。
実は縮毛矯正の薬剤は「熱」に敏感です。
体温が高ければ近いところにある薬剤ほど強く反応し、遠ければもちろん反応はしません。この生理中というのは、体温が場所によっても変わる上に、温度差もあるため注意が必要になります。
つまり、体温の変化が著しく大きい生理時には、矯正のムラが出やすくなるのです。
「じゃぁ、いつすればいいの?」
っていうのを考えると、

生理期間よりも少し時間をおいて、卵胞期のあいだで縮毛矯正してあげるのが、最も安心とも言えます。

生理から卵胞期間は基礎体温が36.5℃以下になる低温期です。低温期にはエストロゲンの分泌量が多く、プロゲステロンよりも優位に働きます。入念にヘアケアするのもおすすめです。
自覚 的 ス トレ ス は, 自律 神 経系 の バ ラ ン ス の 欠如 や 機 能 異常 を 惹起 す る謝 .黄体 後 期 に お け る 交感 神経 の 活動増加及 び 副交 感神経 の 活動 低 下 は ,月 経前 症状 の 発 現 に 関与 して い る 2S)こ とか ら考 える と, 自覚的 ス トレ ス に よ る 自律 神 経系 の バ ラ ン ス の 欠如や 機能異 常が 月経 随伴症 状 の 増 強 に 影 響 し て い る と推測 する ,
引用元:若年女性 に お ける 月経随 伴症 状 と関連要 因が QOL へ 及 ぼ す影響|熊 本大 学大 学 院保健学教育部博士 後期課程1),熊本 大学大学 院生 命科学研 究部21
月経が終わり、排卵までは体調が良い時期となり基礎体温が上がります。新陳代謝も良い時期になるので、生理後には肌の調子が良いと感じることが多いです。
肌の調子が良い=頭皮の調子が良いということになりますので、低温期は頭皮の状態が良いので、生理後は積極的にヘアケアを行うのがベストです。
カラーやパーマほど注意が必要ではない

ですが、ヘアカラーやパーマほどの注意が必要ではないです。
というのも、カラーやパーマに比べて、時間がかかるものの、矯正の薬剤は頭皮地肌につけるものではありません。
美容室にもよりますが、矯正のストレートアイロン施術での「根本折れ(アイロンの形がつくこと)」を防ぐため、頭皮地肌から0.5〜1㌢ほど離してからつけるのがセオリーになります。
そのためカラーやパーマに比べると、そこまで薬剤のコントロールがシビアになることはありません。
そもそも最近の薬剤は本当に、地肌なんかにも優しく作られていて、カラーやパーマでさえ染みる(しみる)といったことは、ほとんどありません。
加えて、縮毛矯正は時間がかかる分、お客様側もそんな自由に日をずらすことも難しいです。そのため体調次第にはよりますが、施術自体それほど気にする必要もないはず。
美容師的には何か問題があったことはない

さらに、美容師を15年以上していて、何かあった経験もなければ、誰かがトラブったことを見たことも聞いたこともありません。
効果に関しても同じことが言え、カラーやパーマのように根本付近にまで薬剤をつけることがないのがセオリーになっているため、全く関係がないわけではないが、そこまで影響がありません。
つまり、注意しつつすれば問題がないはずなんです。
まぁ、あくまでも薬剤の危険性を考慮した上での、可能性の話になるため、必要以上に避ける必要はないのかもしれません。
ですが、いつも通りにするというわけではなく、
- 体調が悪い時は避ける
- 生理中は少し気を使う
- 仕事終わりなどではなく、休日など、ゆとりをもって行動する
など、少し注意をする程度はしておくべきでしょう。
月経中(生理)に矯正をして違和感を感じたら

違和感を感じたら、すぐに縮毛矯正を中断しましょう。
そして「病院」へ行くことをおすすめします。
縮毛矯正をしてから、少しでもいつもと違う変化や違和感があれば、すぐに皮膚科など病院に行くほうがいいです。
- 違和感を感じたら美容師に相談する
- 矯正を中断する
- 病院に行く
逆にできない、しづらい、といった場合では、控えるべきかもしれません。何かあってからでは遅いですからね。
【豆知識】妊娠中はいつからしてもいい?


妊娠期間の特に初期では体調の変化が起こりやすく、妊娠ホルモンが多く分泌されるため、妊娠中のネガティブが多く出やすくなります。そのためカラーやパーマの薬剤の匂いや拘束されていると言う精神的負担が体に悪影響になる可能性もあります。
妊娠1ヶ月目の初期症状は必ずしもはっきりとしたものではありませんが、以下のような変化が現れます。
- 気分の変化
- 胸やお腹の張り
- トイレの回数が増える
- 身体がだるい
- つわり
- 便秘
- 妊娠ホルモンの増加
個人差はあるものの、これらは13周目くらいまでは体が慣れずに、精神的につらいはず。
その上で、縮毛矯正などをすることでトラブルの原因になる可能性もあります。
ですが、「妊娠」期間中のヘアカラーやパーマなどをしてはいけないのか、というと今回と同様にタイミングがとても重要になります。
- 妊娠初期(1〜13週目)
- 妊娠中期(14〜27周目)
- 妊娠後期(28〜42周目)
できれば、14周目以降にカラーやパーマをする方がトラブルの確率を格段に抑えることができる上に、体的にもかなり楽になるはず。
もともと何もしない人であれば問題はありませんが、定期的にヘアカラーをする方やパーマをする方にとっては精神的に辛いところがあるはずです。それについてもまとめた記事もあるので、ぜひ参考にしてくださいね。
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あとがき

この記事では、「生理中での縮毛矯正を控えるべきか、考えとアドバイス」について書きました。

個人的な考えとしては、注意はすべきだけども、それほど不安に感じることも、気を使いすぎる必要もない、ということです。

生理中だからといって、矯正がかからない、効果が弱くなる、頭皮のトラブルが起こる、といったことは極めて低い確率になります。
実際に美容師を長年していますが、そんなトラブル見たことも聞いたこともありません。ヘアカラーやパーマと違って、頭皮地肌につけるものではないため、何かが起きる根拠は少ないと考えています。
とはいえ全く関係ないのかと言われると、そうでもありませんので、
- 体調が悪い&生理中は控える
- 初めて(超久しぶり)の縮毛矯正&生理中
- あまり注文をつけれない、トラブルに対応しにくい人
こんなケースに当てはまる人は、控えるぐらいで良いかなという感じです。
それ以外での、慣れている方や行きつけの美容室があるって場合なんかでは、なんの問題もなく矯正ができるはずです。
ちなみにヘアカラーの場合は控えるべきなので、注意してくださいね。