月経(生理)時期のヘアカラーやパーマは注意?控えるべき理由を美容師が解説
よく月経(生理)の期間のヘアカラーやパーマは控えるようにしてくださいと言われることがあります。
- なぜ生理中のヘアカラーがいけないのか?
- 染まりはいい?悪い?
- 身体への悪影響は?
こういった悩みにお答えしていきます。
髪染めをしよう・パーマや縮毛矯正でヘアスタイルをチェンジしようと思っていたけど、ちょうど生理の時期。
「生理中のヘアカラーのご使用はお避けください」市販のカラー剤にも記載されている注意書きですが、同時に生理中は髪が染まりにくいということもよく言われますよね。
しかし、なぜ、生理中のヘアカラーはいけないの?と疑問に思っている人も少なくありません。
当記事では、月経(生理)の時期や期間のヘアカラー・パーマ・縮毛矯正がなぜ控えるべきか、どういうタイミングでするのがいいのかについて分かりやすくお話していきます。
月経(生理)の時期・期間の、ヘアカラー・パーマ・縮毛矯正をなぜ控えるべきなのか、この記事ではヘアカラーをテーマに控えるべき理由を解説
月経(生理)の特徴を知ることがヘアカラーを控える理由がわかる
当然ですが男性は生理自体の知識もないので、「なぜ生理中のヘアカラーはいけないのか」その理由を知らない人が多いです。
女性はもちろん、男性でも分かるように生理の基本知識から、生理中のヘアカラーがいけない理由をお話していきます。
月経(生理)サイクルは4つの期間で構成される
- 生理開始から5日前後までを「生理(月経)」
- 5~12日前後までを「卵胞期」
- 12~17日前後までを「排卵期」
- 17~28日前後までを「黄体期」
女性の身体は月のサイクルはこの4つでできています。
この4つのサイクルでは、自身の体調が変化します。これはホルモンバランスの調整が身体で行われることによって、分かりやすくいうと体温が大きく変化します。
高くなったり、低くなる。
そう考えると、生理中のヘアカラーがいかに注意すべきか理解できるはずです。
例えば、平熱が35度の方が、どれくらいになれば微熱とされるか知っていますか?そうです、1度上がるだけで微熱状態となります。
たった1度です、そんな微妙な変化でも人は身体がだるくなったり、頭痛、めまいなどを引き起こします。つまり女性はそんなサイクル(身体の変化)が頻繁にくるということになります。
話を戻して、月経のそれぞれサイクルを分かりやすくお話していきます。
生理に伴う性器からの出血や不快な症状が表れる期間で、大体3~7日間続きます。一般的な生理というのは、この期間のことを指します。
生理後の7日前後の期間のことで、卵巣で新たな卵子(卵胞)が作られ成長していく期間です。
受精卵を着床するための子宮内膜の組織も増殖して厚みを増します。
卵胞期の後の5日前後の期間で、成熟した卵胞から卵子が飛び出し卵巣を出ていく「排卵」が起こります。
排卵期の後の10日前後の期間です。
ちなみに、この期間中に排卵された卵子が精子と出会い結合(受精)し、受精卵が子宮内膜に着床する期間です。
これらが月経の基本になります。
目次に戻るなぜ美容院・美容室の生理中のヘアカラーはいけないのか
生理中は女性ホルモンのバランスが崩れることから、肌荒れやニキビが出たり、ちょっとしたことで肌が赤くなったり痒くなったりします。
お肌が敏感・免疫力が低下している時期にカラーやパーマをしてしまうと、毛根に液が浸透して炎症を起こしてしやすいため、生理中はカラーやパーマを避けるように言われる事が多いです。
特にパワーの強い市販のカラー剤を使用する際は注意してみるようにしてください。
さらに生理中は、皮膚や身体が過敏になっているため、今まで使っていて大丈夫だったカラー剤やパーマ剤であってもアレルギーやかぶれなどを引き起こす可能性もあります。
その理由をお話する前に、まず髪を染めるメカニズムについて見ていきましょう。
髪が染まるヘアカラーの基本的なメカニズム
へアカラーで染まる原理についてを理解することで生理中へのカラーがいけない原因が分かりやすくなります。
一般的なヘアカラー剤は、正式名称では「酸化染毛剤」と呼びます。
酸化染毛剤は、1剤と2剤の2種類の混合液で構成されていることがほとんどです。(中には3浴式ヘアカラーもあります)
酸化染毛剤の内訳では、1剤の成分は酸化染料とアルカリ剤、2剤の成分は酸化剤(過酸化水素)となっています。
そんなヘアカラー剤、一番のネガティブポイントになるところは、カラーアレルギーです。このアレルギーですが「色の明暗」を調節したいときに構成されれているパラフェニレンジアミン(ジアミン)が大きな原因となります。
色の明暗でピンとくる方もいてるとは思いますが、ほとんどのヘアカラーの含まれているため、
- ヘアカラーを変える
- 明るさを変える
などの対策がまったく効果がないとも言えます。
生理期間と妊娠期間も似ているため同様に注意が必要
妊娠期間にヘアカラーやパーマなどをしてはいけないと言う神経質になってしまうと約10ヵ月の間何もすることができません。
- 妊娠初期(1〜13週目)
- 妊娠中期(14〜27周目)
- 妊娠後期(28〜42周目)
もともと何もしない人であれば問題はありませんが、定期的にヘアカラーをする方やパーマをする方にとっては精神的に辛いところがあるはずです。
その他にも女性によくある体調のタイミングも重要になります。
- 高温期(生理前の2週間ほど)
- 低温期(生理を含む2週間ほど)
自分の体調と合わせることによってもトラブルの可能性を減らすこともできます。
そのため妊娠期間やその時々の体調によって調節することで、メンタルだけでなく見た目もキレイになるので、メンタルケアにもなってオススメ
重要になるポイントとなるのは、体温が高いと早く染まり、体温が低いと染まりにくいという特性があるという事です。
つまり、生理中にヘアカラーがいけない理由には、女性ホルモンの乱れによる身体の変化が理由に入ってきます。
とはいえ妊娠中のヘアカラーやパーマでトラブルに合う確率は極めて低い
ヘアカラーやパーマで髪や頭皮は多少傷むものの、妊娠中は絶対にダメと言うようなものではないと思っています。
逆に言えばヘアカラーやパーマをできない方がストレスになり体に悪いと個人的には考えています。
もちろん美容室にもよりますが、妊娠中ヘアカラーをする際は最善の気をつかうし極力頭皮にはつかないように注意を払います。
市販カラーだけはあまりおすすめできません、パワーが強すぎる上に自分でするのは負担が大きくなるので極力美容室などに言って染めるようにしましょう。
ただ格段に気を使う必要も(誤字ご自身が)ありませんし、ヘアカラーやパーマも正直なところ辛ければすぐに流せばいいだけです。気軽にチャレンジしてもみては良いのではないでしょうか。
生理中は身体のコンディションが不安定で髪が染まりにくい
先ほど少し触れましたが、体温の高い低いという事が大きく影響します。生理中は体温は低温期となりますので、染まりにくい期間になります。
女性ホルモンは2種類あります。
- エストロゲン(卵胞ホルモン)
- プロゲステロン(黄体ホルモン)
このホルモンが低くなったり高くなったりする調整がされることで、ヘアカラーにも大きな影響を与えます。
- 「生理」…生理から約1週間は両方のホルモンが一定に分泌、低温期に入ります
- 「卵胞期」…生理が終わり排卵前まで。エストロゲンの分泌量が増加、低温期から徐々に体温が上昇していく事から一番良好な状態です
- 「排卵」…排卵日前後はプロゲステロンの分泌が増加、排卵日に一旦体温低下後、高温期に入ります
- 「黄体期」…排卵後から次の生理までの期間。エストロゲンの分泌が減少 高温期で体温が最も高くなり、身体には一番負荷がかかってくる期間です
また、生理中は上記のホルモンの分泌バランスが崩れやすい不安定なので、染まりにムラがでやすくなります。
実はヘアカラー剤は熱に敏感です。
体温が高ければ近いところにある薬剤ほど強く反応し、遠ければもちろん反応はしません。この生理中というのは、体温が場所によっても変わる上に、温度差もあるため注意が必要になります。
つまり、体温の変化が著しく大きい生理時には、ヘアカラーのムラが出やすくなるのです。
とくにブリーチ(パワーのある脱色剤)は控えましょう
とくにパワーの強いブリーチやそれに近い脱色剤でもあるクリアカラーはとくに注意が必要になります。
ブリーチは髪のメラニン色素を分解して、髪色を明るく(脱色)する働きがあります。
これらを総して「脱色剤」といいます。
パウダーブリーチの過硫酸塩は、2剤を混ぜた時に過酸化水素の酸化力を強め、高い脱色力を発揮します。
パウダーブリーチ | ライトナー | |
---|---|---|
pH | 9〜11 | 9〜11 |
ブリーチ力 | 高 | 中 |
ダメージ | 大 | 中 |
染まりづらいからといって、ブリーチやパワーのあるものを使ってしまうのは逆効果で、上にも書いたように体温の高低差で染めムラにもなりやすいので、とくに控えましょう。
生理中の髪染めはいつ染めると安全・キレイに施術・染まるのか?
生理が終わった後の、10日間の「卵胞期」の期間が一番キレイになります。生理から排卵までは、低温期から基礎体温が徐々にあがり、体調もよくなる時期だからです。
生理中は肌の調子が悪くなり、同時に髪の状態も悪くなりますが、逆にこの卵胞期間は、髪もつやが出るなど状態がよくなるので、染色に適した時期となります。
月経期間と自身の体調で調整することがキレイに繋がる
気をつけるべきことは「肌に与える影響」です。
生理から卵胞期間は基礎体温が36.5℃以下になる低温期です。低温期にはエストロゲンの分泌量が多く、プロゲステロンよりも優位に働きます。
入念にヘアケアするのもおすすめです。
月経が終わり、排卵までは体調が良い時期となり基礎体温が上がります。新陳代謝も良い時期になるので、生理後には肌の調子が良いと感じることが多いです。
肌の調子が良い=頭皮の調子が良いということになりますので、低温期は頭皮の状態が良いので、生理後は積極的にヘアケアを行うのがベストです。
美容院・美容室で染めるヘアカラーが一番キレイ
正直なところ、おすすめと言えるほどのものではありませんが、
できるだけサロンカラーをする
ぐらいです。
とはいえ、これは効果的な部分が大きいので期待できます。
例えば、テクニック的なことで言えば、
- ゼロテク(根本に薬剤をつけない塗布技術)
- 頭皮に負担の少ない薬剤を使用
- オーガニックカラーを選択
など、市販カラーではできないことが多数あります。行きつけの美容室があれば美容師に相談してみるべきです。
加えてサロンカラーでは、頭皮の保護するためのスプレーや、技術によって頭皮に極力つけないように工夫したりできます。
最も大切になるのがカラーの後のシャンプー、家でシャンプーをしているつもりでも、歯磨きと同じように洗いにくい場所や、洗えていない場所などがあるからです。
美容室でのシャンプーも合わせて大事にしましょう。
月経中(生理)にカラーをして違和感を感じたら
違和感を感じたら、まずはヘアカラーをやめましょう。
そして「病院」へ行くことをおすすめします。
ヘアカラーをしてから、少しでもいつもと違う変化や違和感があれば、すぐに皮膚科など病院に行くほうがいいです。
- 違和感を感じたら美容師に相談する
- ヘアカラーをやめる
- 病院に行く
【豆知識】妊娠中はいつからしてもいい?
妊娠期間の特に初期では体調の変化が起こりやすく妊娠ホルモンが多く分泌されるため、妊娠中のネガティブが多く出やすくなります、そのためカラーやパーマの薬剤の匂いや拘束されていると言う精神的負担が体に悪影響になる可能性もあります。
妊娠1ヶ月目の初期症状は必ずしもはっきりとしたものではありませんが、以下のような変化が現れます。
- 気分の変化
- 胸やお腹の張り
- トイレの回数が増える
- 身体がだるい
- つわり
- 便秘
- 妊娠ホルモンの増加
個人差はあるものの、これらは13周目くらいまでは体が慣れずに、精神的につらいはず。その上でカラーやパーマなどをすることでトラブルの原因になる可能性もあります。
ですが、「妊娠」期間中のヘアカラーやパーマなどをしてはいけないのか、というと今回と同様にタイミングがとても重要になります。
- 妊娠初期(1〜13週目)
- 妊娠中期(14〜27周目)
- 妊娠後期(28〜42周目)
できれば、14周目以降にカラーやパーマをする方がトラブルの確率を格段に抑えることができる上に、体的にもかなり楽になるはず。
もともと何もしない人であれば問題はありませんが、定期的にヘアカラーをする方やパーマをする方にとっては精神的に辛いところがあるはずです。それについてもまとめた記事もあるので、ぜひ参考にしてくださいね。
あとがき
生理中のヘアカラーは極力控えるようにしましょう。
ある程度のコントロールをすると、常にキレイな髪色をつくることができるので、参考にしてもらえると嬉しいです。
- カラーが適正なのは生理後の10日間
- 避けた方が良いのは高温期の期間。つまり排卵後から生理を含めた14日間
- 残りの日数は体調との相談
さらに高温期の期間にした方が良いこともリストアップ。
おすすめ
- 質の良い睡眠とる
- 食事を整える
- 適度に身体を動かす
- 冷え対策ととる
- ストレスを発散させる
排卵後から次の生理が始まるまではプロゲステロンが優位に働き、基礎体温が上昇して高温期に入ります。
高温期は体温が高いために、むくみやすかったり、身体がだるく感じたり、イライラしたり身体に負荷がかかりストレスになる期間です。そしてお肌だけでなく頭皮も敏感になります。
生理中はもちろんですが、高温期もカラーなどの炎症を起こす原因になるのです。
極力、排卵後~生理までは気分が落ちこないよう、本を読んだりカラオケに行ったり、何か好きなことをするようにしましょう。
ストレスが溜まったままでいると、血行が悪くなり頭皮の栄養素が行き渡らなくなるだけではなく、PMS(月経前症候群)と呼ばれる症状も出てしまうので注意して下さい。
頭皮にとっても体にとっても、過度なストレスを溜めないよう、日頃から自分のストレス解消法を見つけておくようにしましょう。